Thursday, May 26, 2011

AKIRA / L'Incal

映画『AKIRA』を見た。
漫画原作で映画されたものだ。

僕は基本的に漫画原作が映画化(実写、アニメともに)されたものは見ないことにしてる。漫画だけに限らず小説原作でも映画化して、原作のストーリーや世界観を十分に同じくクオリティで表現するのは なかなか難しい。そもそも原作とは違う媒体で作ろうとしているんだから比べるのがおかしいのだけど。見なくてよかったなあ(見てないなら未だ分からないじゃん、と突っ込む人がいると思うが)と思ったのはDEATH NOTE、ラフ、GANTZ、ノルウェーの森。今、思い浮かんだのはこれくらい。逆に見てやっぱり後悔したのは山田悠介さん小説原作の『親指探し』。とんだ無駄遣いをしてしまったとむしろ憤りを感じるほどだった。

それでも、中には原作の世界観を上手に表現しているのもあると思う。

AKIRAはそんな映画の一つだと思った。原作の話が長いだけにどうやってまとめるんだろう、と見ている最中から気になっていた。なんとなく半分まで来た辺りでまだここなのかあと思ったくらいで、心配になった。案の定、締め方は漫画原作を知っている人にとってとても残念な形だったと思う。それでも僕が素晴らしいと思ったのは、作画と音楽だった。

調べてみたらあの映画は1988年にできたものだった。見ている中でも、古い映画なのに原作の絵の感じが上手に出ているなあ、なんて思っていたが、さすがにそこまで古い映画だとは思っていなかった。ぎりぎり僕は生まれていない。また、作中では超能力とかそういったものが多分に出てくる。比べちゃいけないけど、ドラゴンボールではキャラが飛ぶ時はちゃんと飛ぶ音がある。AKIRAでもキャラが飛ぶシーンがあるけど、無音。BGMのあるシーンも邪魔しない程度に、むしろ世界観を形成するのに役立つくらいだったと僕は思う。

僕はAKIRAみたいな、世界を滅ぼすくらいの大きな力が暴走する、みたいな映画はとても好きだ。小学校の時だろうか。昔見た手塚治虫さん原作の『メトロポリス』はお気に入り。うろ覚えで、なにが好きだとかは覚えてないけど、どれだけ経っても見たことが忘れられないってことは相当衝撃的かつ僕の好きな感じにハマっていたのではないかと思う。そのうちもう一度見てみよう。



大友克洋さんの名が挙がるとよくよく一緒に挙ってくる漫画家さんの中に松本大洋さん、浦沢直樹さんがいると思う。そしてその三人が影響を受けたらしいフランスの漫画家がいるそうだ。ジャン・ジロー(Jean Giraud)と言う。彼はペンネームをいくつか持っているが、メビウスという名で作画を担当した漫画『アンカル』が去年やっと日本語に翻訳された。(ちなみにアンカルは1981年に発売開始で1988年に完結した。22年越しの翻訳。)大友さん、松本さん、浦沢さんは僕の大好きな漫画家で必然的にメビウスにも興味が湧いた。

絵が似ているだとかそういったことをプロの漫画家さんに対して言うのは失礼極まりないと思う。が、メビウスの絵に大友さんと浦沢さんの絵の感じを重ねずにはいられなかった。二人の絵はメビウスの絵があってこそなのでは、と思うほどだった。大友さん、松本さん、浦沢さんが好きな方はメビウスも読んでみるともっと三人が好きになると思う。


FArts

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